21『終末のフール』(伊坂幸太郎)

【感想】
「隕石の衝突で、あと8年後に世界が終わる・・・」

そんな衝撃の発表により、人間社会は秩序を失い、暴徒と化した人間によって
世界は崩壊し、多くの人が命を失った・・・

5年が経過し、凄惨な生き地獄を生き残った人々が、
残りの3年をどう生きるか?という話である。

序盤の「親と子」をテーマにしたくだりなどは、ぐっと胸に込みあげてくるものがあるが
読み進めた中盤以降は、この「世界の終末にどう生きるか?」という
テーマに対して「息切れ」してしまったような単調さがある。

いつもの彼の作品よりも人物描写が雑な気がするのはきのせいだろうか?
加えて短編を終わらせるときの、最後の締めくくり方もいまいちである。

たまには、こんな時もあるだろう。