18『昭和史』半籐一利 平凡社2008


この本の感想を一言で語るのは確実に不可能である。
日露戦争日中戦争、太平洋戦争、満州国、朝鮮併合、ノモンハン大東亜共栄圏
陸軍、海軍、内閣、天皇、マスコミ、外交、そして国民意識など、
1926年から1945年に至るまでのさまざまな視点から語られる情報は非常に膨大で貴重あり、その一つ一つの事実に対する作者の鋭い洞察力とバランス感覚に優れた史観からは、読み進める度に常に多くの「新しい」がある。
それらの事象が束になって「昭和史」となっていくことがよく分かる。
本書でも強く語られ、今だ多くの人々が首を傾げる大きな疑問。
日本がまったく勝ち目のない「馬鹿げた」戦争に突入し、無駄に多くの国民の命を失ったのはいかなる理由であったのか?
この疑問符に対する著者の回答は、現代に生きる我々の生活や社会でも充分活かせる教訓となるはずである。