8 『仕事、三谷幸喜の』 三谷幸喜(角川出版)


手元にあるのが、平成12年出版のものなので随分と前の作品だ。

彼の小学校から現在(2000年)までの全作品を、本人の解説付きで
知るころが出来るファンにはたまらない一冊。

彼が思う面白さのツボ、尊敬するニール・サイモンや、ビリーワイルダーなどの
先人作家の存在、作品に対する世間の評価と自分自身が感じる出来上がりのギャップ、
素晴らしい役者達への敬意、舞台からテレビ、そして映画とそれぞれの表現媒体への思い
そして脚本家・演出家として力を着実につけていく自身についてなど
まさに三谷幸喜についてよく分かる本である。


「自分と自分の公演のために集まってくれたキャスト・スタッフのために本を書いている。」
彼が自身の脚本を再演させない理由について語った下りである。
いい作品は良き一期一会の中で生まれるものだということを改めて感じた。