「大鮃」 藤原新也著

11月に不思議なご縁で、
作家・藤原新也さんの新作「大鮃」の原稿推敲のお手伝いをさせていただきました。

昔からずっと読んでいる作家・藤原新也さんからのオファーというのは、
私にとって夢のような出来事でした。

作品は無事出版され私も完全版を拝読したが、素晴らしい作品に仕上がっていました。

本自体も装丁家鈴木成一さん渾身のデザインで、「手に取りたくなるほど美しい仕上がり」です。

皆さんにも紹介したい一冊です。以下が私の読後感想です。



【書籍レヴュー】

「あなたの優しさは強さからくる優しさじゃなく弱さからくる優しさだと思います。

父性を求め極北の海に出会う老人と青年奇跡の一日。」(本の帯より)


アルケミスト」や「青年は荒野を目指す」のような
旅を通過儀礼として、青年が成長していく話なのだが、
本文中に散りばめられた作者の人生観、世界観をつづった言葉は
「経典」や「聖書」のように鋭く、重く、普遍性があり、心に響くものばかり。


読了後、数日間は夢に太古(主人公)の旅の様子が出てくるほど、
体の中に残る、まさに「血」になっていくような物語だった。

「どうやら人の命には四季という血が巡っているらしい」
という書き出しの一行から、一気に引き込まれまる。

若い主人公に対する老作家の温かい眼差し、
削ぎ落とされた簡潔で無駄のない文章、
クラシック音楽のような心地いいリズムの文体、
人物の感情をより豊かに表現する鮮やかな風景描写の数々。

世界中を回り、独特の世界観・死生観で多くの人々の心を打ってきた作者が

これからの時代を生きる若者たちに伝えたいこと残したいことを綴った想いが、
「遺書」のように色濃くと刻まれている。

言葉でまとめるのが難しいのだが、
神話が持つような普遍的な力を「大鮃」からは感じる。
同時に、上質なシルクに触れたような、肌触り感のある作品だと思う。


皆におすすめしたい作品である。

一つ作って、終わったら、また次を作るのだ!

10月の下旬に池袋演劇祭も終わり、我らが「偶像崇拝」は受賞はできなかったが、自分にとってかけがえのない作品になった。

映像編集はまだ終わっていないが、自分の中でもそろそろこの作品との決着がついた気がする。


それに公演終わりで、たくさんの方々と交流する機会がどっと増え、あれよあれよという間に時間が流れ
気が付けば、クリスマスの鈴の音が聞こえてきそうな時期になってしまった。

こちらは、先々週から、イマノカゲキの次作の準備にはいっている。
前作偶像崇拝は、音楽に例えると完全なるB面だったので
次の作品は、エンタメ全開のA面を作る予定だ。

多くの人々が楽しめる作品になるよう、これから多くの方々のお力を借りながら
また作品を創っていくのだと思うと、少し胸が熱くなる。


ヴョ―カリスト伊藤和美さんにご紹介いただいた、

ミュージシャン・Sさん宅に公演の相談で伺った際に、

蓄音機で聞かせていただいたレコード集の一つ。



星野みち子さんの「私は貴方のものなのに」。

その美声と、当時の録音サウンドが生みなす立体的な空間に

メロメロになった。


そして、平野愛子さんの「港が見える丘」。作詞は東辰三さん。

この曲、歌詞がシンプルなのに、はっきりと情景が目に浮かび

その中にいる登場人物の感情が、手によるようにわかる素晴らい歌詞だった。


世の中には、自分が知らない世界・作品があふれている。
いつか、自分たちの作品の一部も、その一角を形成できれば、幸せだな。

これが「遺作」でも悔いはない。

今日、小屋入り前の最後の通し稽古を行った。


偶像崇拝」は
たったの3人芝居と、ピアニスト1人で、
2時間の芝居を作っている。
この「偶像崇拝」は、
時を超えて、長い旅を続けながら、
彷徨い、求めあう3人の魂の物語だ。
役者が、その想いを込めて演じている通し稽古を
見守っているときに、
何か分からない強い感情が、心の奥底から湧き上がってきた。


それは、今までに感じたことのないモノだった。
今回の偶像崇拝は、SideB公演を銘打っているだけあって、
規模はかなり小さいし、内容も決して万人に受ける作品ではないだろう。
もしかしたら、今回の公演終わりで、世の中から忘れさられる存在かもしれない。



そして、
私はまだまだ未熟な戯曲書きで未熟な演出家だ。


しかしながら、
もし明日世界が滅びるとしても、
あるいは私が何かのきっかけでこの世から消えたとしても、
この「偶像崇拝」が、今時点での「自分の遺作」となることに
決して悔いのない作品に仕上がったと思う。
そんな思いを持ったのは生まれて初めてのことだった。
そんな思いを持たせてくれた、3人の役者、ピアニストに心から
感謝をしたい。


そして、この「魂の作品」が本番でお客様の心に
どう届くのが、それを最後まで見届けたいと思う。




写真は、通し稽古前に各々集中する4人のキャスト。







偶像崇拝 HP
http://blackromancefilms.com/new/

インターネットラジオ「リスタン」ゲスト出演分・放送中!「リスタンマニアックス」⇒「燃えよ ピンポン」


毎週金曜夜10時より配信中!!

カトコーとゆのっちのリスタン!! 第72回!!

〜内容〜

燃えよピンポン特集!!

ゲストにBlack Romance Films のクワハラーノ・チュースキーさんをお迎えして、本日は3バカトリオでお送りします!!

駄作から真実を学ぶこのコーナー!!

この映画、果たしてホントに駄作なのか!?

カトコーが、ゆのっちが、そしてクワハラーノチュースキーが熱く語ります!!!


〜リスタンHPより抜粋〜

偶像崇拝」の準備やゲームシナリオ執筆に
日々謀殺されているチュースキーですが、
先日ゲストでお邪魔した
インターネットラジオ番組「リスタン」のチュースキー登場分の
「リスタンマニアックス」が今夜放送開始になりました!


ちなみに
「リスタン」は、放送回数が70回を迎える人気番組。

大手声優事務所に所属していた
カトコーさんと、ゆのっちさんが、
メインパーソナリティーを務めています。

声優業界の裏話や、プラモ、ゲーム、映画など
ありとあらゆるエンタメに絡んでいく、
かなり野心的なプログラム「リスタン」。

今回は名作映画をとことん語る人気企画、

「リスタンマニアックス」のコーナーに

ゲスト出演させていただきました。

お題は、三原光尋監督作品

高田聖子さん主演の映画「燃えよピンポン」。
コテコテの大阪の笑いが困りすぎるほどに詰まった
この名作の魅力を余すところなく語ってきました!

収録スタジオでは、
いつも聞いている お2人のトークが生で聞けて感動!
そしてお2人の会話のテンポの速さに驚き!

しかし、しゃべって生きている人たちって、やっぱり
トークが上手いですね〜。

私も見習うところが多くなりました。
(って、お前何になるんじゃい!)

そして、実は今回の舞台「偶像崇拝」のナレーションに
カトコーさんに出演していただいているのです!

カトコーさんファンのみなさん、偶像崇拝
是非お楽しみに!

■リスタン 第72回 リスタンマニアックス「燃えよ ピンポン特集!」

第72回放送 その1

http://planbbox.com/?p=487

第72回放送 その2

http://planbbox.com/?p=494

第72放送 その3 偶像崇拝 告知

http://planbbox.com/?p=497




舞台「偶像崇拝」後半戦通し稽古!

昨日の稽古風景です。 

鈴木洋之さん、DEWさん、森川梢さん、堀切洋子さんの4人で、中盤戦から最期までの通し稽古でした!

みなさん、士気が高く、燃えています!

http://blackromancefilms.com/2016/08/15/%E3%80%8C%E5%81%B6%E5%83%8F%E5%B4%87%E6%8B%9D%E3%80%8D%E3%80%8E%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%81%BE%E3%82%8B%E3%81%A7%E3%83%91%E3%82%BA%E3%83%AB%E3%81%AA%E5%A0%B4%E9%9D%A2%E8%BB%A2/

舞台「偶像崇拝」 これまでの戦い・稽古ラッシュ!

BRF9月公開の舞台「偶像崇拝」は順調に稽古が進んでいます!

舞台セットなし、小道具なし、役者は3人のみという
高難易度の作品のため、練習することが多く、稽古時間があっという目に過ぎていく日々です。

加えて、ピアノの生演奏との合わせも多くあるため、
役者さんは覚えることが多く、とても大変そうです。

今夜は、これまでの我々の苦悩と努力の時間、稽古ダイジェストをお送りします。

ご興味のある方、是非ご覧くださいませ!


■「偶像崇拝」『それでも、武士として生きるのか?』(8/11 立ち稽古&音楽合わせ)

http://blackromancefilms.com/2016/08/11/%E3%80%8C%E5%81%B6%E5%83%8F%E5%B4%87%E6%8B%9D%E3%80%8D%E3%80%8E%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%A7%E3%82%82%E3%80%81%E6%AD%A6%E5%A3%AB%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B/

■「偶像崇拝」『コンビネーション・トライアングル』 (8/7立ち稽古&音楽稽古)
http://blackromancefilms.com/2016/08/11/%E3%80%8C%E5%81%B6%E5%83%8F%E5%B4%87%E6%8B%9D%E3%80%8D%E3%80%8E%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B0/

■「偶像崇拝」『強敵!パントマイム』(8/2立ち稽古&音楽稽古)
http://blackromancefilms.com/2016/08/11/%E3%80%8C%E5%81%B6%E5%83%8F%E5%B4%87%E6%8B%9D%E3%80%8D%E3%80%8E%E5%BC%B7%E6%95%B5%EF%BC%81%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%80%8F%EF%BC%8882%E7%AB%8B%E3%81%A1%E7%A8%BD/


■「偶像崇拝」 『動きとリズムと鍵盤の音』(7/31立ち稽古&音楽稽古)

http://blackromancefilms.com/2016/08/10/%E3%80%8C%E5%81%B6%E5%83%8F%E5%B4%87%E6%8B%9D%E3%80%8D%E3%80%80%E3%80%8E%E5%8B%95%E3%81%8D%E3%81%A8%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%81%A8%E9%8D%B5%E7%9B%A4%E3%81%AE%E9%9F%B3%E3%80%8F%EF%BC%88731/

舞台「偶像崇拝」チラシ完成!

完成してから時間がなくてなかなかアップできませんでしたが、
ついにお披露目!

ディテールにこだわった「偶像崇拝」のチラシ。
自分でいうのもなんですが、最高のクオリティで仕上がりました!



フォトグラファー TOYO NISHIには、
700枚以上のイメージショットを撮影してもらい、



デザイナー アミラーリ=トージョ―ビールの、
細かい作品のディテールや雑妙なレイアウトセンスに加えて、



イラストレーター伊藤慧の、
独創的あふれる抽象画が作品を表現しています。



最高の宣伝チームで作成することができました!




舞台「偶像崇拝」は、

セットなし。
あるのは3人の役者と、3つの椅子。
そして一人のピアニスト。
というかなり攻めの姿勢で作っている作品です。


「独創的で斬新な舞台を作る」
を合言葉に、日々準備に取り組んでおります!

みなさん。どうぞ、お楽しみに!

※席数に限りがあるため、ご興味のある方は
お早目のご予約をお願いします。



【作品名】
偶像崇拝 池袋演劇祭参加作品



【あらすじ】
「数年ぶりの再会は、記憶にない地下室だった…」

密室の地下室で再会した三人。
彼らは何を探し、何を夢見て、何を求めたのか?



【出演者】
  森川梢(BlackRomanceFilms)
  鈴木洋之(イーゼル
  DEW
  堀切洋子(BlackRomanceFilms)



【Staff】
 作・演出 クワハラーノ・チュースキー
 音楽 堀切洋子
 チラシデザイン アミラーリ・トージョービール
 チラシイラスト 伊藤慧
 舞台美術 森川梢
 大道具 鈴木ワークス
 制作 Black Romance Films



【日時】
9月8日〜11日
8日(木) 19:30
9日(金) 14:00/19:30
10日(土) 13:00/18:00
11日(日) 13:00/18:00



【会場】
 La Grotte
東京都豊島区駒込3-16-13 TEL : 03-3917-0246
JR山手線 駒込駅北口より徒歩5分
    (参照:http://www.la-grotte.com/access/


[Black Romance Films扱い 予約フォーム]
https://www.quartet-online.net/ticket/gu-zo-su-hai?m=0cdhhjg