101『スウェプト・アウェイ(SWEPT AWAY)』(2002・アメリカ)

【スタッフ】
脚本・監督:ガイ・リッチーロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
オリジナル脚本:リナ・ウェルトミューラー『セブン・ビューティーズ』
撮影:アレックス・バーバー 『ミーン・マシーン 』
編集:エディ・ハミルトン『バイオハザード II アポカリプス』
音楽:ミシェル・コロンビエ 『エリザ』

【キャスト】
アンバー:マドンナ『エビータ』
ジュゼッペ:アドリアーノ・ジャンニーニ 『愛の果てへの旅 』
マリーナ:ジーン・トリプルホーン氷の微笑
トニー:ブルース・グリーンウッドスター・トレック


【感想】(ネタばれを含みます)
「こんなに幸せなの私生まれて初めて。結ばれる運命だっていっただしょう」
「俺はお前のモノだ。これからもずっと・・・」


そもそもどういう経緯でこの映画が製作されたのか分からないが、
話と同様、この映画自体が徐々に座礁していくことに気づいたスタッフ
はどの位いたのだろう・・・
それとも脚本の段階では「この作品にかかわりたい!」と思わせるような
強いエネルギーがあったのか?

深い謎である。

脚本に描かれている「金で間でも解決できる」資本主義パワーも、
無人島では何の役にも立たない、という部分は、
それなりに社会風刺もあるのだろうが、中盤以降ひどくかったるい
「理解不能なロマンス」が展開され見るに堪えない時間が過ぎていく・・・

その昔、世界中の若者を熱狂させたガイリッチーであるが、
本作では彼の持ち味がまったく生かされず(その才能は枯渇してしまったのか?)
元妻であり主演のマドンナもまた、世界中に不快極まりない「おかしな女」を見せつけ
(この役は彼女も可哀そうな気がするが・・・)、
またしてもこの作品でラジー賞を受賞している。
エビータを演じた彼女はどこにいってしまったのだろう。

自分では自力救済が不可能な環境下での、他者への絶対的な従属から生まれる
「真実の愛」がテーマなのであれば、これを作る前に和田勉作品の
「完全なる飼育」など参考にしたら良かったのに・・・
(まあ、いろいろと参考にはしているんだろうがね)

しかしこういう不名誉を与えられても、それでも光り輝くマドンナはいろんな意味で凄い。


【総評】☆11STARS☆ (各項目5点満点で計30点)
脚本★
演出★
役者★
撮影★★★
美術★★
音楽★★★

「それでもやっぱり映画が好きです。」