58『スコーピオン(3000 MILES TO GRACELAND)


【スタッフ】
監督:デミアン・リヒテンスタイン
脚本: デミアン・リヒテンスタイン
リチャード・レッコ

撮影:デヴィッド・フランコ『隣のヒットマン』『フリーマネー 』
音楽:ジョージ・S・クリントンワイルドシングス』『オースティン・パワーズ

【キャスト】
トーマス・J・マーフィー:ケヴィン・コスナーダンス・ウィズ・ウルブズ』『JFK』
マイケル:カート・ラッセル『ニューヨーク1997』『エスケープ・フロム・L.A』
シビル・ウィングロー:コートニー・コックス『スクリーム』『フレンズ』
ハンソン:クリスチャン・スレイタートゥルー・ロマンス』『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

【あらすじ】
刑期を終えて出所したばかりのマイケル。さっそくキャデラックを飛ばしてとあるモーテルへ。そこで待っていたのはマーフィーら4人のヤクザな男たち。5人は合流するとラスヴェガスへと向かう。ラスヴェガスではちょうど年に1度のエルヴィス・ウィークが開催中だった。5人は到着するや、皆エルヴィスのコスチュームに身を包む。実は、彼らはエルヴィスそっくりさんコンテストの出場者を装ってホテル内に侵入、そのままカジノの収益金をいただこうという魂胆だった。激しい銃撃の末、何とか大金を手にすることに成功した彼らだったが……。

【感想】(ネタばれを含みます)
ガイリッチーとタランティーノが好きな男が映画を作った、という印象。
派手なドンパチ、うるさいロックが大音量で2時間流れ続ける。
随分と金をかけたようだが、そんなにこの脚本が良かったのだろうか?
ケビン・コスナーは確かにカッコいいが、絶対にこのキャラではない。演じたマーフィーという人物の設定に当てはまる部分がまったくない。加えてマーフィーという人物が最後まで見えてこない。例えば子供を逃がすあたりの心境の変化がまったく理解できない。
コートニー・コックスが演じえうシビル・ウィングローもそう。この設定は最悪で、物語の進行を無駄に妨げている感じすらする。
北村龍平の「あずみ」のようにとにかく派手にドンパチやって、狂喜することが主題であれば、それなりに楽しめるかも知れない。
しかし、アメリカにおける「エルビス伝説」は我々の想像を超えるものがある。
そして「一番悪い奴が生き残る」という邦題のキャッチコピーをつけた人物は、これを見た客に謝った方がいい。
【総評】☆13STARS☆ (各項目5点満点で計30点)
脚本★★
演出★★★
役者★★★
撮影★★
美術★★
音楽★
「それでもやっぱり映画が好きです。」