39『ナインスゲート』 ロマン・ポランスキー監督

1999年 スペイン・フランス製作

【スタッフ】
監督: ロマン・ポランスキー戦場のピアニスト』『ローズマリーの赤ちゃん
脚本:ジョン・ブラウンジョン『赤い航海』
   ロマン・ポランスキー
原作:アルトゥーロ・ペレス・レベルテ『ナインス・ゲート』
撮影:ダリウス・コンジパニック・ルーム』『ザ・ビーチ
音楽:ヴォイチェフ・キラール『戦場のピアニスト』『ある貴婦人の肖像』
美術:ディーン・タブラリス『地獄の黙示録』『ゴッドファーザー
編集:ハーヴ・デ・ルーズ『戦場のピアニスト』『オリバー・ツイスト

【キャスト】
ディーン・コルソ:ジョニー・デップ『デッド・マン』『エド・ウッド
ボリス:フランク・ランジェラフロスト×ニクソン』『ロリータ』
リアナ・テルファー:レナ・オリンカサノバ』『存在の耐えられない軽さ』
謎の女性:エマニュエル・セニエエディット・ピアフ愛の賛歌』『赤い航路』

(あらすじ)
やり手の稀覯書発掘人ディーンは、腕を買われ収集家ボリスから高額報酬を条件にある依頼を受ける。それは彼が所蔵している『悪魔祈祷書』が贋作であるかどうかを調べてほしいと。1666年に出版されたこの本は世界に3冊存在している。ディーンは他の2冊との違いを見極めるべくスペイン、フランスへと旅にでる。

(以降ネタばれを含みます)
サスペンス的な視線でこの映画を見てはいけない。
エマニュエル・セニエ演じる謎の女性が悪魔の化身だとか、出会っていきなりディーンと交わるリアナがその後本を狙っているとか、ボリズが実は黒幕であるとか・・・すぐに分かるように作られているので、話に何かを求めてはいけない。

この作品の光る部分はやはり、音楽の使い方であろう。
音楽がその場で起きていることを語っている。
ディーンに迫っている得体の知れない恐怖、これから出会う新しい発見への誘い
目の前にいる得体のしれない女性への不気味さ・・・
話が展開したり重要だと思わせる部分に、いいタイミングでその場に合った上質の曲が挿入される。共にポーランド出身のポランスキーの音楽への敏感な感性と、ヴォイチェフ・キラールの生み出す斬新で記憶に残る調べという贅沢な交わりを、この作品ではたっぷりと堪能することができる。


【総評】☆22STARS☆ 
脚本★★
演出★★★
役者★★★
撮影★★★
美術★★★★
音楽★★★★
(各項目5点満点で計30点)
 やっぱり、映画が好きです。