34『子供の情景』ハナ・マフマルバフ監督 2007

監督 ハナ・マフマルバフ
脚本 マルジエ・メシュキニ
制作 メイサム・アルマフバフ
撮影 オスタッド・アリ
美術 アクバル・メシュキニ
音楽 トリブ・カーン・シャヒディ
編集 マスタネー・モハジェル

イラン・フランス合作

(投稿者 ショーン=アイマックス

17歳で撮影を始め、2007年、19歳になったハナ・マフマルバフ監督はこの映画を完成させた。一人の子供を通してアフガニスタンの現実を描いた映画。現実の兵士は一人も出てこないが、大人たちを見て育った子供たちの猟奇的な視線には恐ろしさを感じずにはいられない。
子供は大人を見て育つ。子供の遊びには社会の縮図が現れる。
学校に行きたい。ただそれだけの願いをかなえることが、あまりにも大変なこの国の今が伝わってくる。
原題は「Buddha Collapsed out of Shame」仏陀は恥辱のうちに崩れた、とでも訳そうか。
映画はバーミヤン遺跡爆破の爆音で幕を開け、その後エンディングまで不気味にも穏やかで静かな映像が続く。
悲しみや悲劇をえがくのに、沈黙が力を持つことがある。
「自由になりたいのなら死ぬんだ!」
いつまでも覚えていたい映画でした。