2「それでも僕は芸人ですから」で済む問題ではない。

電車のつり革広告。
さまざまな企業広告がある中、いま珍しい人がこの媒体に出ている。
今やお昼の顔としてのみならず、「国民的人気モノ」であるタモリだ。
彼ほどの人が一体何のCMに出ているのか、その雇い主の企業を見て驚愕した。
消費者金融アコム」である。

以前は2流タレントを使用していたこの手の企業も最近は、それなりに知名度のある人物(山田優※や内田有紀など)を使うようになっている。
※彼女は以前消費者金融から金を借りて苦しむというドラマに出演していたはずだが、
これはいかなる転身なのだろう。理解に苦しむ。

その背景には、テレビ局からのギャランティー収入が激減している中で、
大手スポンサーである消費者金融であればある程度のギャラが見込めるということなのだろう。一方企業側としては今までのダークなイメージを一新する為に、知名度のあるキャラクターを今までよりも安く起用できる時代になったということだ。

しかしながら、長年メディアの世界で生きてきて知名度はピカ一、国民に愛され、社会に対する発言力・影響力が大きいあのタモリ
「ご利用は計画的に」などと能天気に歌い、消費者金融を堂々と宣伝すればどうなるのか?その答えはタモリ本人がよく分かっているはずだ。

この男には前科がある。
今から6年ほど前に宣伝をした日本テレコムの「お得ライン」だ。
電話回線サービスだったが、CMの内容に虚偽があるとか、悪質な勧誘で
総務省が異例の行政指導に踏み切ったという経緯がある。
この時の被害者の多くは「タモリさんがCMに出ているから安心していた」と語っていた。

皆に愛され信頼されている彼は、以前の過ちを繰り返すのだろうか?
彼ほどの影響力のある人であれば、仮に事務所の決定であったとしても、拒否権を行使できるはずだ。それをしないいうことは、やはり本人の承諾があった上での仕事であることは間違いない。
彼が今の地位にいれるのは、もちろん彼自身の才能にもよるが、はやり長年支持してくれ、共に時代を生きてきたファンがいるからではないのか?
今回の彼の決断は、そのファンにまるで唾をかけるような行為である。

非常に残念でならない。