8「あの空をおぼえてる」冨樫森監督

これは雑誌「旅と冒険」を出版している編集長ショーン・アイマックス氏からの投稿である。
原文をそのまま掲載する。
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 事故で娘を亡くしてしまったある幸せな家族の話。
 だれにでも起こるかもしれない悲しい出来事を、どうやって乗り越えてゆくのか、に焦点が当てられて
いる。自分を責める父親、イライラしがちな母親、残された息子はそんな両親を見て一人寂しさを抱えて
いる。映画の冒頭、家族の幸せがとても自然に描かれていると思った。アメリカンハウス、写真家の父親
、誰もが心の中であこがれる田舎でのゆっくりした、つつましい生活。それがたった一瞬の悲しい事故に
よって無残にも壊されていく。悲しみからは何も生まれない。徹底的に悲しみを描いたあとで、そこに乗
り越える希望が見えてくる。
 つらいことがあったとき、希望を与えてくれる映画として評価してよいと思う。
【評価 各項目5点満点】
脚本4 演出4 役者3 撮影4 美術4 音楽3
計22/30
それでもやっぱり映画が好きです。
記:ショーン・アイマックス