105『ミッシング(missing)』(2003・アメリカ)
【スタッフ】
監督:ロン・ハワード『ビューティフル・マインド』
原作:トーマス・イードソン
脚本:ケン・カウフマン『スペース カウボーイ』
撮影:サルヴァトーレ・トチノ 『天使と悪魔』
音楽:ジェームズ・ホーナー『ブレイブハート』
【キャスト】
サミュエル・ジョーンズ:トミー・リー・ジョーンズ『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』
マギー・ギルクソン:ケイト・ブランシェット 『アビエイター』
リリー・ギルクソン:エヴァン・レイチェル・ウッド『レスラー』
ドット・ギルクソン:ジェナ・ボイド『ハンテッド』
騎兵隊中尉:ヴァル・キルマー『サンダーハート』
【あらすじ】
1880年代西部アメリカ。
「インディアン戦争」と呼ばれる白人の侵略戦争は、インディアン側の敗北濃厚で最終局面に突入している状況下。
略奪し略奪されて、殺し殺され・・・という負のスパイラルは、
まったく消える気配はなく、けなげに生きる人々の心の中に、
何者かに襲われるかも知れないという「潜在的な恐怖」を住まわせることになる。
その恐怖、不安感、そしてそんな不遇な時代に生きざるを得なかった主人公マギーや
その家族を覆う世界観を、フィルムの色彩や挿入される音楽で見事に表現している。
いってみればかなり感覚的な作品である。
これに加えトミーリージョーンズはじめとする俳優たちの100年前の生活ぶりを熱演させるのであるから、
高いリアリティを味わえただけでも、それなりの成功であると個人的には思うのだが、
親子の関係の修復が旨く描かれていないことや、物語の細部に粗さが目立つ点など「脚本が面白くない」為、
社会的にはあまり評価されなかったようだ。(つなり一般受けしなかったということ。)
視点をずらして絶対的な正義を掲げ突き進んできたアメリカという国の、
「大衆目線」での若い歴史に触れるにもいい作品であると思う。
【総評】☆19STARS☆ (各項目5点満点で計30点)
脚本★★
演出★★
役者★★★
撮影★★★★
美術★★★★
音楽★★★★
「それでもやっぱり映画が好きです。」