3深夜に出会う「文学」の臭い

白洲次郎 藤原義江 役所広司 北野武 原田芳雄・・・

昔も今も「目標となる」素敵な中年男性というものがいる。
その生き様に敬服し憧れ、残した業績に背筋を伸ばし謙虚に励み
彼らの思想や発言に多く習うことが多い。
これらの人々は、まさに心の師と呼べる大人たちなのだ。

一方、私が週に何度か深夜に遭遇する中年達は、むごい。
名もなく、貧しく、品もない。
身なりひどく汚く、容姿・姿勢は醜く、行動・発言は奇妙極まりない。
誇れる仕事もなく自尊心の欠片も見当たらず、
人生の目的すらとうに失っているように見える。
もはや反面教師の域をとうに超え、憐れみすら生まれず、目に入れるのも億劫な時が多い。

しかしながら何故だろう、
それらの中年達に「物語の原石」が埋まっている気がするのは・・・