33『12人の怒れる男』 シドニー・ルメット監督 1957年作品


脚本:レジナルド・ローズ

キャスト:ヘンリー・フォンダ
リー・J・コッブ
エド・ベグリー
ジャック・ウォーデン
マーティン・バルサム
ロバート・ウェッバー
E・G・マーシャル

音楽:ケニヨン・ホプキンス
撮影:ボリス・カウフマン


密室劇と言えば最近だと「CUBE」「キサラギ」などがあるが、
これはいわずとしれた、半世紀前の密室劇の金字塔。

ある部屋に集められた12人の陪審員達。
父親殺しの容疑をかけられた少年の有罪無罪を決めるのが彼らの仕事。
裁判でも有罪色が強かった中で、最初の採決は一人を除き全員有罪。
一人無罪を主張した男はいう「一人の人間の運命をこんな簡単に決めてもいいのか」と・・・。

低予算、少ない日程ながらも、会話だけで物語を進めていく「脚本」の素晴らしさには脱帽する。三谷幸喜の「12人の優しい日本人」はこれをを踏み台にしているから、あれだけの脚本をかけたのもうなずける。

ロングショットの多用などからも、撮影の見本としても格好の素材である。
50年以上前の作品ながら、彼らが議論をしなければいけない根本的な部分に、
アメリカという国家が持つ「正義への義務・使命感」を感じることができる。
素晴らしい作品の作ってくれた先人たちに感謝。

【総評】☆22STARS☆ 

脚本★★★★★

演出★★★★

役者★★★★

撮影★★★★

美術★★

音楽★★★

(各項目5点満点で計30点)

 それでも、やっぱり映画が好きです。