31『罪とか罰とか』ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督


出演:成海璃子/永山絢斗/段田安則/犬山イヌコ/山崎一/奥菜恵/大倉孝二/安藤サクラ/
串田和美

脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ撮影:釘宮慎治
照明:田辺浩
録音:尾崎聡
美術:五辻圭
装飾:龍田哲児
音楽:安田美充央


(投稿者:ショーン=アイマックス)
ケラ3作目。売れないアイドル、アヤメ(成海璃子)がひょんなことから警察一日所長に。一日所長でも所長には変わりないから指揮監督しなければならない!?
刑事の春樹(永山絢斗)は根っからの殺人癖がある。
普通に笑って楽しめる映画でしたが、どこかに考えさせられる部分もしっかり持っていて、すばらしい作品として成立している出来でした。
よく、「事実は小説より奇なり」というけれど、それは奇妙な現実をそのまま描くことが映画や小説などの作品世界ではなかなか出来ないからだと思う。作品世界の奇妙な偶然や連鎖は、そのまま非現実感になってしまう。でも現実の世界ではありえない偶然や、奇妙なことがいくらだって起きている。
この映画ではそのジンクスを思い切って超えていった思い切りのよさがあり、むしろコメディー(フィクション)としての作品に妙なリアルさを与えているからぞっとする。
ケラリーノ氏は「世の中はデタラメ」っていう信念があるそうで、あのフランツ・カフカの小説ですらコメディとして理解しているそうだ。