27『12人の優しい日本人』 中原俊監督 1991


脚本:三谷幸喜
キャスト:塩見三省 相島一之 上田耕一 豊川悦司
撮影:高間賢治
美術:稲垣尚夫
録音:志満順一

言わずと知れた三谷幸喜率いる、東京サンシャインボーイズの舞台を完全映画化。
元ネタは1957年のアメリカ映画「12人の怒れる男」を日本風にアレンジしたもの。

日本に陪審員制度があったら・・・。
美人でスタイル抜群の女性が、元夫を殺した!?
本当に彼女が殺したのか、否か。
彼女は有罪か、無罪か。
評決全員一致を目指して、12人の日本人がその国民性にあった議論し、話は2転3転していく。

この作品、何といっても脚本が素晴らしい。
ほとんどワンシチュエーションで展開される中、
三谷が仕掛けておいた数々の事実の小出しと、新たな解釈で見る側はその世界に引き込まれていく。
これを可能にするのが、12人の陪審員に与えたキャラクターである。
人物配置と、仕掛けたトリックで約2時間を持たせているのは驚嘆に値する。

一方、映画化する必要があったのか・・・?と疑問に思う節もある。
密室劇という難しい設定ではあるが、アングル・ライティングも含めて撮影自体に個性を感じることもできない。
役者の演技も同様。
脚本に書かれている個性をそのままなぞっている感じがする。
個性が感じられないのだ。

とはいえ、面白い脚本だったら、ここまで面白い作品が作れるという
代表作とはいえるのではないだろうか。

【総評】☆17STARS☆ 
脚本★★★★
演出★★
役者★★★
撮影★★
美術★★
音楽★★
(各項目5点満点で計30点)