1『忘れえぬ想い the lost time』

「結構面白いよ」と友人(楊氏)から頂いたDVDなので早速見てみたが、
主題をそのままなぞるだけの凡作だった印象。


婚約者(ルイス・クー)を突然の事故で失った女(セシリア・チャン)が、
残された彼の連れ子(原島大地)を、周囲の反対を押し切り一人で育てようとする。
しかし慣れない肉体労働・子育てに身も心もボロボロになる。金銭的にも追いつめられ、生活はメチャクチャに。
それを見かねた亡くなった同僚の男(ラウ・チンワン)は彼女に救いの手を差し伸べる。

http://www.wasureenu-omoi.com/

愛する人を失った悲しみを癒し、前に進ませてくれるのは新たな出会い」がテーマの
オーソドックスな話だが、内容もホントそのままオーソドックスだった。

まず彼女が何故他人の子を一人傷つきながら孤高奮戦し育てようとするのかがよく見えない。
「頑張って生きろ!」という彼の遺言(実はこれはねつ造なのだが)だけで、決断をしたのではさすがに
説得力が弱い。彼と初めて出会った・彼が仕事をした「バス」で仕事をしたいのは分からなくもないが、
運転経験も殆どないのに客をとって商売を始めるのは無謀極まりない。

チンピラと対等にやりあおうとする彼女の気の強さは日本人からすると異常ともいえた。
(ただ単に負けん気が強いからだともいえるが)
この彼女の強情さが作品のテーマになっている位の強烈さである。


その割には、昔の男から新しい男へ気が変っていく映像描写がありきたりなモノなのが残念。

子役の原田大地の無垢な瞳と、主演セシリアチャンのやつれた美しさが印象的だった。

【採点 各項目5点満点】
脚本2.5 演出2.5 役者3.5 撮影3 美術2 音楽2 

計13.5/30
それでもやっぱり映画が好きです。