1「僕たちの町は、一ヶ月後ダムに沈む」

昨年、友人の守田君を中心に結成した
演劇ユニット・森滝市の旗揚げ公演「おい!オヤジ」。
その時に作・演出を担当なさったのが佐藤秀一さん。
彼が主宰する演劇ユニット3LDKの第六回公演「僕たちの町は、一ヶ月後ダムに沈む」
の舞台撮影を担当した。

今回の舞台のあらすじは・・・
あの日、ダム建設と戦った僕ら。
高い空と深い森、鬼ごっとした鏡神社
通学路の仁美橋、寄り道した木口商店。
いつもの木造校舎のにおい、木の下に埋めたタイムカプセル。
本気で守れると思ってた。
15年ぶりの一人足りない同窓会。ふと空を見上げる。
僕たちの町は、一ヶ月後、ダムに沈む。(パンフレットより抜粋)

公式HP http://3ldk.luck.jp/


過剰なエンターテイメントが要求される舞台も多くあるが、
この作品はそうではない。

同窓会ということで集まったのは、いまやそれぞれの道を生きている普通の大人達。
芸人のように話すことが面白いわけでもなく、
そんな「スターではない」普通の彼らの普通の会話や空気が舞台の上に流れている。

舞台となる教室の美術セットの汚し具合もほどよく、懐かしい郷愁をさそう視覚効果が大きい。
加えて、廃校となった教室で話す声の響き方が、まさに学校の中で話している感じがしてとっても良かった。

佐藤さんの書くセリフは、見る側にさまざまな解釈を与える、思慮深いものが多い気がする。

派手さはまったくないですが、しみじみとしたいい作品です。
明日まで公演しているので、興味のある方は是非。