1『歌うたいのバラット』 斉藤和義

この企画は、私チュースキーが、

さほど音楽にも詳しくないにも関わらず

ひどく個人的な体験を通して

素晴らしいと思った楽曲を紹介する、非常に無謀かつ野心的な企画。

一回目は、斉藤和義歌うたいのバラッド

10年ほど前の冬、モデルのバイトや肉体労働をしながら、

クラブ活動のリーダーである八巻が住んでいた葛西の家に居候していた頃。

彼もその姉の居候だったため、私は「2重居候状態」だった。

あの時

大手町の地下鉄は複雑に連結して、一枚の切符で乗り換えができることなんて知らなかった。

出来たばかりのドンキホーテ葛西店で輸入物のよく分からない安い缶詰を食べていた。

部屋に無造作に置かれていたロバートハリス氏の「エグザイルズギャング」に強烈な感銘を受け「ボヘミアン」について必死に考えていた。

リーダー八巻の変形モヒカンを整えるために、風呂場で笑いを堪えながら

バリカンをその頭皮に当てていた。

灰色のアスファルトに囲まれた人の匂いのしない街。

誰も知らない土地で乾いた空気を吸いながら、ビルの隙間から見える青空は

どことなく悲しげで、嬉しげだった。

そんな毎日を送っていた頃

リーダーのコンポを再生した時に流れてきたのが

この曲だった・・・。

歌詞の素晴らしさと軽快で情熱的なメロディー。

まさに「歌を歌う人の熱い気持ち」を集約したかのような名曲。


BANK BANDなどにカバーされているので

それぞれの「歌うたいのバラット」を味わうのもいいと思う。

http://jp.youtube.com/watch?v=eN9FyIe72VY

10年経った今、このPVを見てみると自分なりの「歌うたいのバラッド」のPVを撮りたいと思ってしまう。

もちろん、ボヘミアン調に